従業員の尊重:多様な人材の共創・働き方改革

多様な人材の共創

DE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)の推進

東洋製罐グループが、企業競争力を高め、永続的に発展していくためには、誰もが自己の能力を最大限に発揮し、自分自身が成長するとともに、グループの成長にも貢献していく必要があります。そのためには、女性、外国人、障がい者など、目に見える多様性だけでなく、考え方の違いなど、目に見えない多様性についても、一人ひとりが互いに認め合える風土の醸成が不可欠です。
東洋製罐グループでは、長期経営ビジョン2050の2つの柱の1つとして「多様性への対応」を掲げ、新たな価値創造につながる人材プラットフォームの整備を進めていきます。

女性活躍推進のさらなる拡大

東洋製罐グループは、女性活躍推進法、次世代育成支援対策推進法に基づき、「一般事業主行動計画」を作成し活動しています。
従業員全員が働きやすい環境をつくることによって、全ての従業員がその能力を十分に発揮できるようにするため、2021年度より以下のように取り組みを進めています。
人事部門を中心に各社と情報を共有し、入社時、育児休業取得時など各キャリア段階に合わせてきめ細かい対応を進めていきます。上司である管理職のコミュニケーション力の向上や、女性従業員本人のキャリア形成に関する意識づけにつなげるなどの仕組みづくりを行います。
前回計画から継続して女性採用比率拡大に取り組むため、製造現場の作業軽減につながる設備導入の推進、多様な働き方に対応できるような制度の改善や充実を図ります。

  • 表は左右にスクロールできます
マテリアリティ項目 KGI 目標年度 実績※1
2021年度 2022年度
1 女性管理職比率※2 6%超 2030 3.1% 3.4%
2 女性採用比率(中途・新卒問わず) 30%超 2025 17.6% 22.4%
3 男女の平均継続勤務年数の差異※3 3年以内 2025 3.9年
(男性17.9年、
女性14.0年)
3.4年
(男性18.7年、
女性15.3年)
4 10事業年度およびその前後の事業年度に
採用された労働者の男女別継続雇用割合※3
70%超 2025 男性66.4%、
女性53.1%
(総合63.7%)
男性64.5%、
女性50.0%
(総合61.8%)
  • 対象:東洋製罐グループホールディングス、東洋製罐、東洋鋼鈑、東罐興業、日本クロージャー、東洋ガラス、メビウスパッケージング
  • 各次年度4月1日現在
  • 各年度3月31日現在

女性活躍推進プロジェクト「かがやきプロジェクト」の活動

東洋製罐では、多様な人材が個性を活かし能力を発揮できる職場と風土を目指し、ダイバーシティ推進に取り組んでいます。中でも女性活躍推進を「かがやきプロジェクト」と名づけて積極的に活動しています。
2022年度は「女性活躍推進を前進させる1年」と位置づけ、女性活躍推進誌「Shine」2号の発行や管理職を対象とした「アンコンシャス・バイアス研修」、育児休業復帰者を対象とした「育児とキャリアの両立研修」などを実施しました。
今後も女性が活き活きと働き、かがやける会社を目指し、またその先にある全員活躍企業の実現に向けて活動を推進していきます。

作業負担の軽減

TOMATEC小牧工場では、厚生労働省のエイジフレンドリー補助金を活用して「エアバランサー」を導入しました。これまで人力で運んでいた約20㎏ある一斗缶の運搬を、空気圧の力でサポートしてくれます。作業者への負担を大きく低減することができ、高年齢従業員でも働きやすい環境づくりに大きく貢献しています。

オンライントークラジオ!『育児と仕事の両立』

東洋製罐グループホールディングスでは2022年11月、従業員の育児と仕事の両立の支援活動として「ゆるトークラジオ!育児と仕事の両立」オンラインイベントを開催しました。トークゲストとして育児マンガでインスタフォロワー7万人の漫画家・イラストレーターのタソ氏にお越しいただき、東洋製罐グループ従業員は誰でもオンライン参加ができる形で行いました。育児休業から復帰して働いている従業員が経験を話すとともに、現在妊娠中の従業員からの質問に答えました。また、男性の育児休業についても触れ、タソ氏の夫が育児休業を取得したことで家族との絆が深まった事例を紹介しました。時短勤務者や現在育児休業中の従業員も後で視聴できるようにアーカイブ配信も行いました。

©イラスト:タソ

外国人雇用の取り組み

東洋製罐グループでは海外事業のさらなる展開に向け、グローバルに活躍できる人材を採用するため、留学生や帰国子女など、応募制限を設けることなく採用活動を行っています。
また、外国人技能実習制度の趣旨に適合した運用のもと、工場の労働力の確保と開発国への技術支援を目的に、東南アジアを中心に海外実習生の受け入れも行っています。

シニア層の活躍推進

東洋製罐グループでは法令に則り60歳を定年としていますが、再雇用制度により65歳までの雇用を確保しています。再雇用率は86.4%で推移しています。
定年再雇用されたベテラン従業員を教育担当に配置するなど、技術・スキルの伝承を継続的に行っています。また、製造現場では重量物の運搬などの自動化を進め、誰でも長く働ける就業環境の整備に努めています。

2022年度再雇用実績:95名 再雇用率:86.4%(7社合計)

性的マイノリティ(LGBTQ)に関する取り組み

東洋製罐グループでは、「品格を重んじ、あらゆる事に日々公明正大に努めます。」を信条に、「人権の尊重」「多様性の受容」「差別やハラスメントの禁止」を「グループ企業行動規準」に掲げて、当社グループで働く全ての人たちの人権と個性が尊重される職場づくりを目指しています。
具体的には、当社グループで働く全ての役員、従業員が実践、遵守すべき行動の規範として制定している企業行動規準に「国籍、人種、民族、宗教、思想信条、性別、年齢、障がい、性的指向を理由とした差別を行いません。」と明記し、従業員に共有しています。さらに、各社の就業規則においても、「性的指向・性自認に関する言動により、他の労働者に精神的な苦痛や不利益を与えたり、就業環境を害する行為」を禁止しており、行動とルールの両面から差別的な取り扱いをしないように取り組んでいます。
また、セクハラ、パワハラ、マタハラといった各種ハラスメントをはじめ、いかなる内容についても匿名で相談ができる相談窓口を、社内、外部それぞれに設置しています。

障がい者雇用の取り組み

東洋製罐グループでは、障がいの有無にかかわらず、あらゆる従業員が気持ち良く働ける職場環境となるよう取り組んでいます。一例として、東洋製罐グループ本社ビルではバリアフリー対応や多機能トイレの各階設置などの設備面の整備や、聴覚障がい者向けの音声文字変換アプリの導入などを行っています。
雇用については、地域の特別支援学校からの実習の受け入れや採用を実施する事業所や工場があるほか、地域活性化のために農園型障がい者雇用に取り組む会社もあります。2022年6月30日時点の障がい者雇用率は2.2%であり、グループ会社が法定雇用率を達成できるよう活動を続けていきます。

  • 対象:東洋製罐/東洋鋼鈑/東罐興業/日本クロージャー/東洋ガラス/メビウスパッケージング/東洋製罐グループホールディングス

仕事と介護の両立支援セミナーを開催

東洋製罐では、働き方改革やダイバーシティの推進に向けた施策の一つとして「介護離職0人!」を目標に掲げており、仕事と介護の両立支援を行っています。その取り組みの一環として2021年8月に、仕事と介護の両立に必要な基礎知識とコロナ禍特有の介護のあり方を考え、今後に備えることをテーマとしたオンラインセミナーを開催し、従業員とその家族が聴講しました。
今後も仕事と介護が両立できる職場環境を目指し、介護離職の防止に取り組んでいきます。

働き方の改革

多様な働き方への制度導入

東洋製罐グループでは、テレワーク制度、フレックス制度をグループ各社が順次導入しています。また、東洋ガラスでは時間単位有給休暇制度を導入するなど、多様な従業員一人ひとりが能力を十分発揮できるよう、働きやすい環境の整備を進めています。

長時間労働削減に向けた取り組み

東洋製罐グループでは各国の労働関連法や労使間の協定(労働協約)などに基づき、適切な労働時間および休息時間、時間外労働、休暇などに関する規則を就業規則で定めています。長時間労働削減に向けたさまざまな取り組みを行うことで、従業員一人ひとりのワーク・ライフ・バランスと生産性の向上を目指しています。
日本国内の具体的な取り組み例として、勤怠管理システムの整備にあわせて、管理精度の向上、多様な働き方を目指したフレックス制度やテレワーク制度の制定および利用促進、年次休暇取得促進日の設定、ノー残業デーの設定などを実施し長時間労働を防止しています。

男性の育児休業取得推進

東洋製罐グループでは、男性の育児休業の取得を推進しています。男性も積極的に家事・育児に参画できるよう、育児と仕事の両立をサポートする制度や、具体的な利用事例を紹介するなど、制度を利用しやすい環境づくりに取り組んでいます。
また、男性・女性の育児休業取得者の体験談やインタビューを社内広報誌に掲載するなど、性別を問わず育児をしながら多様な働き方を選択できる環境・風土づくりを進めていきます。

「ホワイト物流」推進運動※1

東洋製罐グループホールディングスは2022年2月、国土交通省、経済産業省、農林水産省が提唱する「ホワイト物流」推進運動の趣旨に賛同し、持続可能な物流環境実現に向け、自主行動宣言を提出しました。
東洋製罐グループ企業では、13社※2が内容を検討のうえ宣言しており、グループの製造業、物流業および物流協力会社が協業し、実現に向けて各社で活動を行っています。
2023年4月より営業を開始した東洋メビウスの熊谷物流センターでは、物流の平準化・効率化・共同化に向けた基盤構築を進めています。高密度倉庫棟には住友重機械搬送システム株式会社の自動倉庫「マジックラック」を採用し、ディープストレージ(多重配列保管)方式により保管効率が向上しました。入出庫と荷揃えの自動化により保管エリア内でのフォークリフト作業を削減するなど、自動化や省人化に注力し、従業員の負荷軽減と構内の安全性向上を図っています。
また、納品先近郊倉庫を活用した物流ネットワーク構築により、小ロット×多頻度輸送から大ロット輸送×高積載率配送への転換を図ることで、幹線輸送の効率化、ドライバーの業務軽減につながり、女性や高齢者の活用が可能となる環境構築の実現を目指すことができます。

高密度自動倉庫マジックラック
  • 深刻なドライバー不足への対応として、( 1)トラック輸送の生産性向上、物流の効率化、( 2)女性や60代以上の運転者なども働きやすい労働環境の実現に向けた運動で、国土交通省、経済産業省、農林水産省が企業に対して参加を呼び掛けている。
  • 対象: 東洋製罐/東洋鋼鈑/東罐興業/日本クロージャー/東洋ガラス/メビウスパッケージング/東洋エアゾール工業/TOMATEC /日本トーカンパッケージ/東洋メビウス/東罐ロジテック/下松運輸/東洋製罐グループホールディングス

工場での「ポジスマ活動」実施

東罐興業小牧工場では2022年から「ポジスマ(ポジティブスマイル)活動」に取り組んでいます。生産部と総務グループの女性を中心とした有志メンバーが、「仕事場で働く楽しみをつくる!」を合言葉に、各職場から上げられた意見を実現するべく、アイデアを出し合い、ポジティブかつ楽しく活動しています。
2022年度は、地元の個性的なキッチンカーを招いたスイーツ販売や休憩スペースへのフリーWi-Fiの設置などを実現させました。コロナ禍により人と人のつながりが希薄になりましたが、このささやかな活動がコミュニケーションを活性化することを願って活動を続けていきます。