電子レンジで温めるだけで食べられるパックごはんは、年々利用者が増えているんだ。常温のまま長期保存ができて、個包装になっているので便利なパックごはんだけど、種類やその容器のことを知っている人は少ないみたい。そこで今回は、お米の無菌包装について紹介するね。
電子レンジで温めて食べるパックごはんは、製造方法によって、「無菌包装米飯」と「レトルト米飯」の2種類にわかれるんだ。炊く前にお米を殺菌し、炊飯したうえで無菌包装したものを「無菌包装米飯」という。お米を気密性のある容器に入れてから炊き、包装してから加圧加熱殺菌したものを「レトルト米飯」といい、特徴が違うんだよ。
パックごはんが入っているトレイは、2種類ある。一つは詰め替えパウチにも使われていて、酸素や湿気・水分から内容物をガードしてくれる「オキシガードトレイ」だ。そしてもう一つは、「ラミコンカップ」という。ラミコンカップは、バリア層をプラスチックフィルムで挟んでいる。パックごはん以外にも、ゼリーやみその容器として使われているんだ。
オキシガードは、ラミコンにはない酸素を吸収するという働きがある。そのため、殺菌や保存の条件を同じにしても、内容物の変化には違いが出る。以下の写真を見てほしい。121度で30分殺菌したコーンスープを55度で保存した場合、オキシガードの容器に入っていたものは変色しておらず、おいしさが保たれていることがわかる。
パックごはんは、無菌包装米飯でもレトルト米飯でも、殺菌加工されているので常温で保存ができるんだ。でも、おいしく安全に保存するためには、守らなければならないことがある。それは、直射日光のあたらない場所で保管することだ。それさえ守れば、無菌包装米飯は6~10ヵ月、レトルト米飯は12ヵ月以上ある賞味期限の間、おいしいごはんが食べられる。
そしてもう一つ、パックごはんをおいしく食べるために、覚えておいてほしいことがある。それは、必ず電子レンジやお湯に入れて温めてから食べるようにつくられているということだ。そのまま食べると冷たいだけでなく、お米がかたくて粘りもないからおいしくないんだよ。チャーハンやおかゆにする時にも、一度温めてから調理してね!