清涼飲料水※(炭酸ガスを含む飲料)は、古代ローマ時代に、天然にわき出る水や温泉を飲んだことがはじまりだといわれているんだ。普通の水とは違って、健康増進に役立つと、まず病人に飲まれたんだよ。そんな清涼飲料水をおいしく運ぶために使われてきた、ふたの歴史について紹介するね。
※清涼飲料水:乳製品類飲料やアルコール飲料を除く飲み物全般
清涼飲料水は最初、つぼに詰めて運ばれたんだ。古代メソポタミアで世界初のガラスがつくられ、それがガラスびんとして使われるようになった。そして1500年ごろにドイツでコルク栓が登場し、それがお酒や清涼飲料水を運ぶ時にも使われるようになったんだ。日本最初の清涼飲料水は1853年に浦賀に来航したペリー提督が持ちこんだ、「炭酸レモネード」と言われている。コルクで栓をしたガラスびんに入っており、これが「ラムネ」の原型になったんだよ。
王冠とは、ガラスびんを密封するためのふたの一つなんだ。アメリカのウィリアム・ペインターが1892年に発明し、ひっくり返すと王様の王冠に似ていることからこの名前が付いたんだ。日本に王冠が輸入されるようになったのは1900年に入ってからで、ガラスびんに王冠で栓をした国産サイダーが発売されたよ。
現在の王冠のひだ(ギザギザ)の数は21個※なんだ。複数のひだでガラスびんの栓を閉めていて、長年の研究の結果、3の倍数で支えると安定することがわかった。ひだの数は18個では密封性が低く、24個では栓が強すぎて開けにくいため、21個が定着したんだよ。
※特大びんの王冠のみ24個
スクリューキャップは、ふたがネジになっている。ふたとガラスびんそれぞれのネジ山がかみ合うことで、しっかり閉めることができるんだ。1926年、イギリスでガラスびんに初めてスクリューキャップが導入された。でも密封性はいまいちで、あまり広まらなかったんだって。1960年代になると、密封性の高いスクリューキャップが開発され、「簡単に開けられて便利」と、世界中で使われるようになったんだよ。清涼飲料水では、栄養ドリンクなどに使われているよね。
ペットボトル入りの清涼飲料水が日本に登場したのは、1982年のことだった。この時に使われていたふたは、アルミキャップだったんだ。その後プラスチックキャップの開発が進み、1990年代にペットボトルのふたに用いられるようになったんだよ。近年の環境意識の高まりから、より軽いキャップ、植物由来のプラスチックを使ったキャップなどが開発されているよ。