紙コップが世界で初めて使われたのは、20世紀はじめのアメリカだったといわれているんだ。病気の感染を予防するために使いきりの紙コップが使われるようになり、現在では食べ物を持ち帰るための紙容器もなくてはならないものになった。そんな紙コップの歴史について紹介するね。
1900年ごろのアメリカでは、列車が到着した時に水が飲めるように、駅ごとの水飲み場に金属製のコップが置かれ、共同で使われていたんだ。そのころアメリカでは病気が流行していて、その原因を調べたところ、駅の共用のコップに病原菌がついていることがわかった。そうした感染症を予防するため、衛生的な容器が必要だったことから、使いきりの紙コップが使われるようになったんだよ。
日本で紙コップがつくられるようになったのは、1930年といわれている。東洋製罐がアイスクリーム用の紙カップをつくったことで、現在のアイスクリーム容器の原型ができたんだ。第二次世界大戦によってアイスクリームの生産ができなくなり、一度なくなったけれど、1949年になってアイスクリームの製造が再開されたのをきっかけに、またつくられるようになったんだ。
使いきりで冷たい飲み物が飲めて便利と、日本でも1954年ごろから、飲料用の紙コップが使われるようになったんだ。その後は劇場や遊園地、野球場などでも使われ、1958年には自動販売機用の紙コップも登場した。そんな紙コップが日本中に知られるようになったのは1964年の東京オリンピックと、1970年の大阪万博の開催がきっかけだったんだ。
1970年代にコンビニエンスストアが普及してから、紙コップは遮光・断熱・防湿・耐熱といった機能を持って、さまざまな食品が入れられる紙容器へと進化していったんだ。現在では電子レンジに対応した紙容器など、暮らしのいろんな場面で使われているんだよ。
また、紙コップの紙は一部で間伐材を使っているよ。木が混みすぎた森は元気がなくなるので、間隔をあけるために伐採したのが間伐材。森林の保護にもつながるし、木材を有効活用していてエコなんだ。