
INTERVIEW
環境負荷を低減した
新しい飲料缶で
人と社会の安心・安全を守る
PROFILE
東洋製罐株式会社
技術系:材料開発
S.Uさん
▶2017年入社/化学・物質系専攻
大学では高分子について学び、就職活動では高分子を原料として身近な製品をつくることに興味を持つ。食品包装容器は生活者の目に触れる形で届くやりがいのある仕事であり、なかでも東洋製罐は高い技術力と幅広い製品展開がある点に魅力を感じて入社。
仕事内容について
消費者の安心・安全を守る
飲料缶の材料を設計
容器材料のスペシャリストとして、環境配慮型アルミ缶「aTULC」の素材開発に携わっています。「aTULC」の大きな特徴は、アルミニウムにフィルムを貼り合わせたラミネート材料を用いることで、缶の製造過程における水の使用量を大幅に削減し、環境負荷を低減できる点です。私はラミネート材料の材料設計から、容器の試作・性能評価までを一貫して行っています。また、アルミ缶の内側に塗料を吹き付けて内容物の品質を守るADI缶の塗料の材料設計も担当しており、容器性能を維持しながら環境規制に対応する材料を模索中です。
材料設計には課題がつきもので、解決に導くことが仕事の難しさであり面白さでもあります。消費者にとって安心・安全な飲料缶をつくることを第一目標に、多角的な観察と評価を行いながら、より良い材料を設計しています。そして、幅広い製品を扱う当社だからこそ、異なる材料設計を同時に経験しながら成長を実感できています。

印象に残ったエピソード
初挑戦の加工方法を経験し、
とりあえずやってみる精神が養われた
世界最軽量となるアルミ飲料缶の開発プロジェクトは、私を大きく成長させてくれました。飲料缶の底部をリフォームして強化することで、缶底の耐圧強度を高めるという加工方法は当社としても初の挑戦。そのため、未経験の加工が材料に与える影響を明らかにし、消費者が安心・安全に使用できることを確認することが重要なミッションでした。
材料は成形を加えるほどに脆くなり、金属が露出すると内容物によりアルミが腐食してしまう恐れがあるため、容器設計部門と密に連携して課題を洗い出すことから着手。そして、容器や材料への負荷のかかり方を調査し、フィードバックを繰り返すことで新しい加工方法への理解を深めていき、製品化につなげることができました。このプロジェクトを通じて“とりあえずやってみる精神”が養われました。未経験の課題に直面した際は、考え込むよりもまずは手を動かすこと。そして、実験や試作から全体感をつかむことで、効率的に改善策を見いだせるようになったと思います。


これからの目標について
世界標準となる新たな飲料缶を開発し、
環境に貢献したい
近年は地球温暖化の影響をより肌で実感するようになり、課題意識が高まっています。そのため、日常に深く関わる包装容器の分野で、環境負荷の低減に貢献したいと考えています。例えばアルミ缶1つあたり0.9g軽量化すると、温室効果ガス排出量を約8%削減できます。小さな積み重ねが社会全体の環境負荷低減に寄与できると信じ、取り組みを加速させていきたいです。その実現には、より幅広い材料知識の習得が必要となります。特に塗料は環境対策への伸びしろが大きいと感じており、専門誌や論文、特許の情報などを読み込み、知識を深めていきたいと考えています。
また、いままでにない製品の開発にも挑戦したいです。飲料缶は技術的には完成されていますが、近年になりフルオープン型の缶が登場するなど、可能性はまだまだ秘められていると感じています。積極的に吸収した知識とこれまでの経験を活かして、世界標準となるような新たな飲料缶を開発し、人びとの暮らしや環境に貢献したいと思います。
OTHER VOICE 周囲から見たS.Uさんとは?
いつも物腰が柔らかく穏やかな人柄で、誰に対しても丁寧かつ誠実に接する姿が印象的です。周囲からの信頼も厚く、リーダーシップを発揮してくれています。どのような業務にも柔軟かつ的確に対応できる、とても頼もしい後輩です!
私にとって「最も身近なお手本」であるS.Uさん。開発に必要な作業は手を抜かず取り組み、常に真摯に業務に向き合う姿勢を尊敬しています。視野が広く細やかな気配りができるため、チームに安心感を与えてくれている先輩です。
