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未来につながる、ワクの要素技術を解説

東洋製罐グループは、
ワク(容器)に使われる4つの主要な素材である
「金属」「プラスチック」「紙」「ガラス」を
全て扱っている、世界的にも稀有な企業です。
この4つの素材はどのような特性を持ち、
それぞれのワクにはどのような要素技術が
込められているのかをご紹介します。

CASE 01 金属

スチールやアルミの金属素材は、食品の缶詰やビール、コーヒーなどの飲料缶で広く使用されています。水や空気に対する遮断性が高く、強度にも長けている金属の特性を活かし、さまざまな付加価値をもつ包装容器が開発されています。

内容物の品質を守る
高い耐久性と保護性

スチールやアルミでつくられた缶は、強固で耐久性があり、遮光性・密封性にも優れていることから、光や酸素、湿気などの外部要因から内容物を長期的に保護する容器に適しています。

何度でも再生することができる
リサイクル性

金属容器は、使用済みの製品を原材料にして同じ製品を新たにつくる「水平リサイクル」率が非常に高く、何度でも再生することができるため、環境負荷軽減に貢献しています。

CASE STUDY

容器に革新をもたらすダイヤカット缶

三角形の格子構造を立体的に加工した「ダイヤカット缶」。この構造により、へこみに耐える強度が大幅に向上し、軽量化を実現。また、キラキラとした目を引くデザインにより、他商品との差別化を図り、消費者の購買意欲を向上させます。

長期保存を実現する二重巻締

缶蓋のカール部(周縁を内側に折り曲げた部分)を、缶胴のフランジ部分(周縁を外側に折り曲げた部分)に巻き込んで圧着・接合する「二重巻締」。これによって容器の密封性を高め、長期的な保存を可能にしています。

(※)シーリングコンパウンド:ゴム状で弾性のある密封材料

CASE 02 プラスチック

プラスチック素材は、清涼飲料水や調味料などの包装容器に幅広く使われており、PETボトルはいまや人びとの暮らしに欠かせない存在となっています。また、レトルト食品のパウチ容器を製造するうえでもプラスチックは不可欠な素材です。

さまざまな形に対応できる
優れた成形加工性

プラスチック素材は軽くて割れにくく、ボトル・フィルム・キャップなどのさまざまな形の包装容器に対応できる優れた成形加工性を有しています。

商品の魅力をアピールできる
高い透明性

プラスチックは透明に製造することが可能であるため、食品や飲料の包装容器に使用した場合、中身が見えやすく商品の魅力や安心感を伝えることができます。

CASE STUDY

フードロスを削減するプラスチック容器

食品などの劣化を促す酸素から内容物を守るため、樹脂の中間層に酸素吸収材を用いた容器を開発。酸素のバリア性能を飛躍的に高めることで賞味期限の延長が可能になり、フードロス問題の解決に貢献しています。

CASE 03 紙

昨今、環境配慮の観点から再生可能(リニューアブル)な紙が注目されています。また、コップやトレーなど、暮らしの中で手軽に活用できる紙製容器は、特殊な加工を施したり、さまざまな素材と掛け合わせることで機能性を高めています。

CO₂排出量の削減に貢献する
再生可能性

紙は、石油や鉱物のように消費すれば減少する枯渇資源ではなく、再生可能な資源である木材を原料としており、有効に使用することでCO₂排出量の削減に貢献します。

容器として扱いやすい
軽量性

紙でつくられた容器は、金属やプラスチック、ガラスの容器と比べてはるかに軽量であり、持ち運びや保管も容易であるため、使いやすさにも非常に長けています。

CASE STUDY

間伐材の使用で森林環境の保全に貢献

紙製容器の原料の一部には間伐材が用いられています。間伐とは、森林の生長に欠かせない手入れであり、間伐材の使用はそこから生じた資源を有効に活かし、環境保全にも大いに貢献する取り組みです。

CASE 04 ガラス

包装容器の素材として最も長い歴史を持つガラス。日本では19世紀後半に初めてガラスびんが製造され、以降、食品や飲料などの容器として普及してきました。近年は、ガラスならではの加工特性や環境特性があらためて注目されています。

高級感や情緒感を演出できる
高い意匠性

ガラスは意匠性に優れており、特徴的なデザインや独特の重厚感を通して、商品を手に取る消費者へ高級感や情緒感を演出する容器をつくることができます。

環境にやさしい
リターナブル性

ガラス容器が持つリターナブル性によって、ゴミの発生抑制や原材料の節約、再使用による新たなガラスびん製造時のCO₂排出量削減などに貢献しています。

CASE STUDY

紫外線から内容物を保護するガラスびん

栄養ドリンクやビールの容器で用いられる茶色のびん。ガラスの原料に金属の酸化物を加えて溶かしているこの色は極めて遮光性が高く、紫外線による栄養素や風味の変質・劣化を防ぐ効果を実現しています。

TOPICS

培った技術をもとに、ワクを超えて
未来の食をつくることにも挑戦

東洋製罐グループは、さまざまな要素技術を活かして高品質な容器を実現するだけではなく、その過程で食品加工・充填・密封・殺菌などの技術も蓄積。自社でPETボトル無菌充填システムを開発するなど、広く産業界に向けて容器詰め食品・飲料を製品化するためのエンジニアリングを提供しています。 さらに、長年培ってきた技術をもとに、食品・飲料の商品づくりを企画から試作、評価、製品化までをトータルでサポートする「Future Foods Labo. -ふふら-」を設立。包装容器を知り尽くした東洋製罐グループだからこそ提供できるサービスで、お客さまとともに社会課題解決につながる未来の食をつくることにチャレンジしています。

飲料缶の充填設備
容器詰め食品を
試作している様子

ワクに込められた要素技術は、実に多彩。
それを私たちは、
長年にわたって伝承することで、
1つずつ確かに研ぎ澄ましてきた。

いつだって、
未来の豊かさに
応えていきたいから。

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