リスクマネジメント

東洋製罐グループのリスク管理体制

東洋製罐グループは、「グループリスク及び危機管理規程」に基づきリスクマネジメントに取り組んでいます。
グループ全体のリスクマネジメントは、グループリスク・コンプライアンス委員会などを通して、状況を確認し、改善および予防措置を講じています。
グループ各社は、それぞれの推進体制のもとでリスク管理方針や基本計画の策定、会社全体のリスクマネジメント状況の取りまとめなどを行っています。

リスク・コンプライアンス体制図

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重要リスク

東洋製罐グループの業績および財務、経営に好ましくない影響を与える可能性のあるリスクには、主として次のようなものがあります。なお、当社グループ事業等はこれら以外にもさまざまなリスクをともなっています。

  • 天候・自然災害・事故・感染症リスク
    自然災害からの事業継続/伝染病・感染症/労働災害・安全衛生
  • コンプライアンスリスク
    コンプライアンス/人権侵害や差別
  • 事業・経営リスク
    経済状況の変化/生産コストの変動/原材料の調達/価格競争の激化/研究開発/投融資(企業買収・資本参加・設備投資等)/デジタル化の推進/取引先の信用リスク/人材確保と育成/訴訟のリスク/海外ビジネス
  • 情報セキュリティリスク
    個人情報の漏洩/営業秘密・機密情報の漏洩/サイバー攻撃・ウイルス侵入
  • 財務・会計リスク
    資金調達/会計基準および税制等の変更
  • 製造・品質リスク
  • 環境リスク
  • カントリーリスク

重要リスクに関する詳細は、2024年3月期 有価証券報告書(PDF34ページ~)をご覧ください。

リスク・危機管理体制の強化

東洋製罐グループを取り巻くリスクや危機事象に対応し、継続的な事業活動に影響を及ぼすリスクの発生を未然に防止するため、リスク・危機管理体制を強化する組織として「リスク危機管理委員会」、グループのリスク・危機管理ならびにコンプライアンスを横断的に統括する「グループリスク・コンプライアンス委員会」を置き、その事務局として「リスク危機管理統括室」を設置しています。両委員会は重要リスクに関する情報の確認、改善および予防措置を講じています。また、当社およびグループ各社では経営基盤の安定化を図るため、それぞれの管理体制のもとで危機管理規程や危機対応マニュアルなどの策定、リスク管理状況の取りまとめなどを行っています。
また、当社およびグループ各社は、危機が発生した場合への予防として、事業活動を早期に復旧し、継続させるための事業継続計画(以下、「BCP」)を策定し、リスクマネジメント体制の強化を推進しています。

感染症対応

政府は2023年5月8日から新型コロナウイルス感染症の感染症法上の扱いを2類相当から5類へ移行しました。東洋製罐グループとしては国の方針に準拠し、新型コロナウイルス感染対策は基本的に解除しましたが、その他の感染症を含め、感染拡大防止など、一定の水準の感染対策は継続しています。感染症が拡大等した場合には、必要に応じて対策の強化に取り組んでいきます。

2024年度活動項目

「グループリスク・危機管理活動 重点活動項目」として次の5つを掲げ、諸活動に取り組む予定です。

  • グループ各社へのBCP活動の推進
  • グループ各社におけるリスクマネジメント活動状況等の確認
  • 情報セキュリティリスク増加に伴う訓練内容の見直し・強化
  • リスクマネジメントポリシーの策定と周知
  • ハラスメントに関する管理職への啓発活動の継続実施

事業会社の組織と重要リスク

東洋製罐グループの事業会社各社では、リスクマネジメント組織を設置し、リスク発生の未然防止、顕在化したリスクからの事業活動の早期復旧に取り組んでいます。業務執行の阻害要因となり得る重要リスクを認識し、リスクマネジメント組織を中心に対応しています。

会社名 想定されるリスク
組織
東洋製罐

事業・経営 /財務・会計/債権回収/自然災害・事故/コンプライアンス/情報セキュリティ/製造・品質/環境/カントリー

リスク・
コンプライアンス
委員会
東洋鋼鈑

コンプライアンス/生産/設備/品質/販売/安全・衛生・防災/環境/情報管理/人材

リスク管理委員会
東罐興業

コンプライアンス/製造・品質/環境/財務・会計/情報セキュリティ/自然災害・事故/カントリー/事業・経営

リスク・
コンプライアンス
委員会
日本クロージャー

コンプライアンス/自然災害・事故/債権回収/情報セキュリティ/品質/環境/カントリー

リスク・
コンプライアンス
委員会
東洋ガラス

コンプライアンス/自然災害・事故/環境/品質/情報セキュリティ/債権回収/カントリー/食品安全

リスク・
コンプライアンス
推進委員会
メビウス
パッケージング

事業・経営 /財務・会計/債権回収/自然災害・事故/コンプライアンス/情報セキュリティ/製造・品質/環境/カントリー

リスク・
コンプライアンス
委員会

主な事業会社の取り組み

2023年度の取り組み

BCP訓練の実施

東洋製罐

マグニチュード9.0の南海トラフ地震が休日夜間に発生し、複数の工場が同時に被災する状況を想定した全事業所参加型のBCP訓練を実施しました。全事業所・本社各部門はオンライン上に設置された本部からの指示により、策定したBCPに基づいてもとづいて被害状況の報告と復旧に向けた意思決定の流れを確認しました。また、災害時に必要な情報の一元管理化を目的として導入した、防災ポータルサイト「BCPortal」を利用して被害状況の報告と確認を行いました。
東洋鋼鈑
年1回、本社と下松事業所の合同でBCP訓練を実施しています。連絡体制を確認し、訓練を通して、自然災害に関するシナリオの不備・不具合を改善しました。
日本クロージャー
災害対策本部の設置と安否確認システムの応答訓練を年2回実施しています。
メビウスパッケージング
富士山噴火、線状降水帯による被災を想定したBCP訓練を実施しました。自然災害に関するシナリオを事業所ごとに用意し、対応を確認、適宜不備の改善を行いました。
TOMATEC
地震津波避難訓練を実施しました。また、大阪・梅田駅周辺地区帰宅困難者対策協議会に加盟しており、訓練に参加しています。

「化学物質の自律管理」に関する講演会を実施

TOMATECでは、2022年2月24日に施行された「労働安全衛生法施行令」、「労働安全衛生規則」、および「特定化学物質障害予防規則」の改正に基づき、「化学物質の自律管理」を段階的に実施しています。この取り組みをより広く周知・展開するために、様々な取り組みを行っています。
その一環として、TOMATEC九州工場では嘱託産業医によるオンライン講演会を開催しました。この講演会には九州工場だけでなく、他工場の安全衛生委員会事務局も参加し、リスクアセスメントの重要性、管理体制の明確化、化学物質の危険有害性の把握・周知およびばく露低減措置など、法律に基づく化学物質の自律管理について理解を深めることができました。

2022年度の取り組み

BCP 訓練の実施

東洋鋼鈑ではリスク管理規程、危機管理規程などを策定 し、定期的にBCP訓練を実施しています。新型コロナウイルス感染症拡大の影響から2022年度は3年ぶりの開催となりました。現場の火災発生により45日間生産不能に陥るという被害を想定し訓練を実施しました。
本社と下松事業所間でオンライン会議システムを使用しながら設備や製品在庫などの被害状況、お客さまへの納期対応といった情報のやり取りを行い、緊急事態への対応を確認しました。訓練の後は、問題点の洗い出しや現行の規程、マニュアルの不備のチェックなどを実施しました。今後も訓練を継続して実施することにより、緊急事態への対応力を高めていきます。

南海トラフ地震を想定したBCPの策定および訓練の実施

東洋製罐では、南海トラフ地震が発生し、複数の工場が同時に被災する状況を想定したBCPを策定しました。BCPの策定により、被害が想定される工場が復旧までに優先的に対応すべき業務を整理し、あらかじめ準備することで、復旧にかかる時間を短縮し、事業を継続することを目的としています。
2023年3月には、策定したBCPに基づき、南海トラフ地震が発生した想定で全事業所参加型の訓練を実施しました。訓練ではオンライン上に設置された本部からの指示により、地震発生時の初動対応の確認および被害状況をWeb会議やチャットツールを用いて報告するなど、BCPの有効性を検証しました。

品質危機対応訓練の実施

東洋製罐グループでは、重大欠陥流出や品質コンプライアンス違反などの品質にかかる緊急事態に備えて、組織的かつ迅速な危機対応を行えるようガイドラインを作成しており、その有効性を検証するため、想定訓練を行いました。
訓練は、東洋製罐グループホールディングスと今回の訓練に向け選定した事業会社が合同で行い、両社の関係役員、部門長参加のもと、特に初動における連絡体制、調査事項や担当部署を重点的にチェックし、危機対策発動から公表判断に至るまでの流れを確認しました。訓練で見出された要改善事項はガイドラインにフィードバックしグループ内で共有しました。

情報セキュリティに関連する教育の実施

東洋製罐グループでは、リスクマネジメントの一環として2022年度から情報セキュリティに関する教育を実施しています。
昨今急増しているサイバー攻撃から会社を守るためには、従業員一人ひとりが意識を高めていくことが重要です。メールアドレスを所持する全ての従業員を対象に「情報セキュリティ入門」といった基本的なeラーニングをはじめ、標的型メール攻撃を模した訓練を実施しました。日々の注意喚起など、サイバー攻撃への備えとして情報セキュリティに関するリテラシー向上に取り組んでいます。
また、10月のコンプライアンス推進月間には経営層向けにTIS株式会社より講師を迎えて「情報セキュリティに関するコンプライアンス研修」を実施しました。実際に起きた事例を交えてわかりやすく解説いただき、理解を深めました。
今後も情報セキュリティの重要性の啓発と継続的な教育に取り組んでいきます。

化学物質の危険有害性についての勉強会

TOMATECでは本社、大阪工場をはじめ各事業所をオンラインでつなぎ「TOMATECで取り扱われる化学物質の危険有害性について」と題した勉強会を開催しました。また、九州工場安全衛生委員会の主催で、顔料製品の原料についての勉強会を開催し、製造担当者をはじめ多くの関係者が聴講しました。2022年6月の「危険物安全週間」には、危険物と毒劇物に関する管理状況確認を重点においた社内パトロールも実施しました。