コンプライアンス
基本的な考え方
東洋製罐グループ行動規準
当社グループでは、各社で働く全ての役員、従業員が実践・遵守すべき行動の規範として制定した「東洋製罐グループ企業行動憲章/企業行動規準」の内容を整理・改訂し、2024年10月1日付で新たに「東洋製罐グループサステナビリティ憲章」「東洋製罐グループ行動指針/東洋製罐グループ行動規準」を制定しました。引き続きこれらを広く理解・浸透させるため、Webサイトや社内掲示板に掲載するほか、解説冊子を配布し、いつでも役員・従業員がその内容を確認できるようにしています。また、新入社員、新任係長・課長・部長研修や新任役員を対象とした階層別の研修において、本内容に沿った教育を実施するなど、継続した周知活動を実施していきます。
関連する規定類
グループ公務員等贈賄防止規程
国内外の贈賄防止に関する法令等を遵守するため、2018年9月にグループ公務員等贈賄防止規程とガイドラインを制定し、規程に基づいた管理を行っています。他社との間で合併・買収・合弁事業を行う場合は、適切な企業調査を行い、当該他社が現在または過去に贈賄防止法等に違反する行為を行っていないかを確認しています。
東洋製罐グループでは、贈賄などの腐敗防止の観点から、グループ公務員等贈賄防止規程とガイドラインに則った管理を継続的に実施しています。また、これらは日本語のほか、英語、中国語、タイ語、インドネシア語に翻訳され、国内外のグループ会社全体に周知されています。
独占禁止法等遵守規程
グループ会社に独占禁止法など遵守を強く推進するとともに、持株会社として自らも公正かつ自由な競争に基づく事業活動を行うため、「独占禁止法等遵守規程」を制定し、規程に基づいた管理を実施しています。
「カルテル決別宣言」決議
独占禁止法遵守に関する「カルテル決別宣言」を、東洋製罐グループホールディングスおよび東洋製罐の両社取締役会において2019年度に決議しました。
カルテル決別宣言
当社グループは、独占禁止法を遵守した公正かつ自由な競争を行い、
競争関係にある他の事業者との間で独占禁止法に違反する行為
または違反を疑われる行為を行いません。
グループリスク・コンプライアンス推進体制
グル ープ全体のコンプライアンスを推進するため、以下の体制を構築しています。
- 図は左右にスクロールできます
東洋製罐グループの主な活動実績
2023年度は、東洋製罐グループホールディングスおよび国内・海外のグループ会社において、以下の活動を実施しました。
贈収賄等腐敗防止への取り組み
経済産業省の「外国公務員贈賄防止指針」が改訂されたことを受け、2022年度には「グループ公務員等贈賄防止規程」およびガイドラインを改訂し、周知・啓発を実施しました。社内規範や関連規程に準じて、全管理職、社員を対象とした贈収賄および腐敗防止に関するeラーニングを2018年度より継続的に行っています。
2023年度は、海外子会社の管理職201名が「腐敗防止法」に関するeラーニングを受講しました。
- 表は左右にスクロールできます
国内実施会社 | 海外実施会社 |
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- e-ラーニングの実施会社は、Transparency Internationalが公開しているCORRUPTION PERCEPTIONS INDEXのスコアに基づいて、適宜見直しを行っております。
独占禁止法遵守に向けた取り組み
適切な独占禁止法遵守体制の維持のために、継続的に取り組んでいる当社グループの独占禁止法コンプライアンス・プログラムについて、2023年度には、外部弁護士へ専門的かつ客観的な立場から評価を依頼し、独占禁止法遵守のための体制維持として相応の対応が行われていることを確認しました。
新任係長・課長・部長研修の実施
主要なグループ会社の新任係長・課長・部長に対し、法務部が企画・主催する研修を開催しました。各階層に合わせたテーマのほか、「当社グループの内部通報制度の有効活用」などについて、計261名が受講しました(オンライン・録画聴講含む)。本研修会は、今後も継続的に実施し、充実を図ります。
- 新任係長研修(日数:計2日間)135名
独占禁止法違反などのリスク回避のための文書作成術
- 新任課長研修(日数:計2日間)93名
独占禁止法違反防止のためのケーススタディー
- 新任部長研修(日数:1日)33名
独占禁止法違反防止のための管理上のポイント
その他の取り組み
- 主要な国内グループ会社の営業部門管理職849名がeラーニング「カルテル防止講座」を受講
- 海外子会社の管理職193名が「競争法」に関するeラーニングを受講
- 独占禁止法遵守にかかる誓約書の提出(営業部門)
- 「独禁法遵守カード」の常時携帯(営業部門)
グループ内研修会や啓発活動など
2023年度は、国内グループ会社を対象に、以下を含むさまざまな研修会や啓発活動を実施しました。
グループコンプライアンス推進月間活動(10月)
- グループ共通活動テーマに関する活動を実施
(共通テーマ)独占禁止法遵守の再徹底 - グループコンプライアンス研修会開催
- 倫理および法令遵守の誓約書提出
グループコンプライアンス研修会
2023年10月18日、外部弁護士を講師に迎え、グループコンプライアンス研修会(テーマ:「ビジネスと人権」)を開催し、グループ各社の役員154名が受講しました。
グループ新任役員法務研修会
2023年5月に、外部弁護士を講師に迎え、グループの新任役員を対象とした研修会(2日開催のうちいずれか1日を受講、テーマ:取締役・監査役・執行役員の義務と責任)を実施し、29名が受講しました。
各種研修会・社内教育支援
法務部や外部専門家を講師とし、当社とグループ各社に関係する法令などの研修会を開催しています。2023年度は計27回実施しました。また、コンプライアンスや法令解説を目的とした教育コンテンツをグループ各社に向けて公開し、社内教育の支援を継続的に実施しています。
主要な研修会テーマ
- 独占禁止法・下請法:6回
- 契約実務:6回
- 製造物責任法:1回
- 贈賄防止:1回
コンプライアンス情報の収集・発信
コンプライアンス啓発においては、コンプライアンスリスクマップを作成し、経営上のコンプライアンスリスクを網羅的に抽出・評価したうえで、より効果的な活動となるよう、優先度を設けて取り組んでいます。また、グループ各社のコンプライアンス活動や、社会で起きている事故事例の発信を通じて、グループ全体でコンプライアンス意識を高めていくよう取り組んでいます。
主な活動計画
2024年度は、以下を活動計画として、グループのコンプライアンスをさらに強化していきます。
- グループ各社におけるコンプライアンスリスクマップに基づく推進活動
- 「不祥事・不正行為のない職場づくり」をテーマとした推進活動
- グループコンプライアンス推進月間活動
相談窓口(内部通報制度)
東洋製罐グループでは、不正な事業慣行、人権の侵害、職場での不正やハラスメント、法令違反、汚職・腐敗を含むあらゆるコンプライアンス違反行為を早期に把握し是正するため、国内外のグループ会社に相談窓口(内部通報制度)を設けています。
相談窓口は、グループ共通の「グループコンプライアンス相談窓口運用規程」等に基づき設置・運用されています。
相談窓口の対応フロー
相談窓口は、グループ各社の社内相談窓口に加え、当社グループから独立した第三者が運営する外部相談窓口を設けています。国内外部相談窓口は受付内容別に「コンプライアンス」と「ハラスメント・人間関係」の2つの窓口を設置しており、従業員(契約社員、パートタイマー、アルバイト、派遣社員および業務請負先の会社従業員を含む)、役員、従業員であった者を対象としています。海外外部相談窓口は、役員および従業員を対象としています。
また、外部相談窓口では電話、Webフォームの受付に加え、匿名での相談も可能となっており、相談者が24時間365日、いつでも利用可能な体制を整えています。
相談窓口の受付対応フロー
通報・相談受付後の対応
通報・相談者より通報・相談を受け付けた後は、「グループコンプライアンス相談窓口運用規程」に基づき、調査担当者を中心に調査プロセスを開始します。調査担当者は通報者に対して、通報・相談が受け付けられたこと、調査の決定内容、および今後の対応について通知します。調査や通知の際には、通報者を特定する情報や通報内容が漏洩しないよう十分に留意し、関係資料は関係者のみが閲覧できるよう施錠管理する等、秘密保持を徹底します。
調査が完了した後、その結果と是正すべき問題点を相談窓口担当役員に報告し、違反行為が明らかになった場合には、速やかに是正措置を講じ、再発防止のための必要な対策を行います。また、通報者には、対応状況を速やかに通知し、不正行為などに関与した従業員に対しては、就業規則や社内諸規程に従って処分を行います。通報・相談については、グループ相談窓口推進事務局から「グループリスク・コンプライアンス委員会」および「取締役会」にて経営層へ報告しています。
利用者の保護について
相談窓口(内部通報制度)が実効性を伴って機能するよう、公益通報者保護法を踏まえた「グループコンプライアンス相談窓口運用規程」等を制定し、利用者を保護する体制を整備しています。
- 実名、匿名いずれでも利用できる方法を備えています。また、従業員等が利用者を探索することを禁止しています。
- 東洋製罐グループ各社は、利用者のプライバシーを守り、秘密を厳重に保護します。
- 利用者が誠実に通報や相談をしたことや、調査協力者が誠実に協力したことを理由に、利用者等(利用者・調査協力者)に対して不利益な取り扱いや嫌がらせをすることを禁止します。
- 利用者等への報復的な行為を行った場合、就業規則に従った処分の対象となり得る旨を明記しています。
- Web(インターネット)を利用しての通報・相談は、内容を暗号化して管理していますので、通報・相談内容が外部へ漏洩する心配はありません。
通報・相談状況
2023年度は内部通報窓口に寄せられた通報・相談件数は合計97件でした。このうち、およそ半数がハラスメントに関するものでした。通報を受けた案件については、迅速に調査・対応を行っています。
なお、通報・相談があった案件については、事実確認や調査等を適切に行い、違反行為等があった場合には就業規則等に基づいて処分や注意指導、是正措置、再発防止策の実施などを行っています。
相談窓口の利用件数/通報・相談内容の内訳
集計範囲:東洋製罐グループホールディングスと連結子会社すべて
- 2021年度:127件
- 2022年度:108件
- 2023年度:97件
相談窓口(内部通報制度)充実の取り組み
相談窓口(内部通報制度)が適切に利用されるよう、職場内に外部相談窓口に関するポスターを掲示し、外部相談窓口の利用方法を記載した携帯カードを配布しています。また、イントラネットにも情報を掲載し、従業員に対して外部相談窓口の周知・啓発を行っています。 さらに、グループ各社に向けて発行している「コンプライアンス通信」では、内部通報制度に関する情報を提供しています。新任役職者向け研修では、内部通報制度の解説を行い、その目的や意義を明確にし、利用方法の周知を図る取り組みを行っています。これらの取り組みを通じて、制度の実効性向上に努めています。
事業会社の取り組み
2023年度の取り組み
東罐興業の取り組み
2023年度のリスク管理・コンプライアンス推進活動のテーマを「現場の主体的な活動を推進し、リスク・コンプライアンスに対する感度を高める」と定め、「下請法遵守体制の維持・強化」、「ハラスメント防止」、「拠点ごとの活動」の3点を重点活動項目として、さまざまな活動に取り組みました。
特にハラスメント防止に関しては、教育資料の作成や管理職向けに、「多様化する部下に対応するためのマネジメント研修」を実施したほか、一部の事業場では拠点ごとの活動として、ハラスメント防止に関する従業員の意識を高める研修を実施し、ハラスメントを発生させない組織・風土づくりに努めています。
日本クロージャーの取り組み
ハラスメントに対する意識向上を目指して、2024年3月に全社員を対象としたハラスメント研修会を実施しました。この研修会では、具体的なハラスメントの要件や、ハラスメントを受けた場合の適切な対応方法について教育を行いました。研修会終了後は、説明動画と資料をウェブ社内報に掲載し、従業員がいつでもアクセスできるようにしました。今後もハラスメント防止のための教育を継続的に実施し、全従業員が安心して働ける職場環境の実現を目指していきます。
TOMATECの取り組み
10月のコンプライアンス推進月間の活動の一環として、大阪企業人権協議会の協力のもと、職場のハラスメントをテーマに研修会を開催し、100名以上が受講しました。具体的なパワーハラスメントの事例を通じて、ハラスメントを防止する方法の一つであるアサーティブコミュニケーションについても学びました。
Stolle Machinery do Brasil Industria e Comercio Equipamentos Ltda.の取り組み
Stolleグループのブラジル法人であるStolle Machinery do Brasil Industria e Comercio Equipamentos Ltda.では、2023年に、ハラスメント、尊重、行動規範に関するトピックについて、すべての従業員にトレーニングを行いました。今後も個性と多様性を尊重しつつ、ハラスメントや差別を防ぐために、従業員に対して定期的な教育とトレーニングの機会を提供していきます。