東洋製罐グループは、「資本収益性向上に向けた取り組み2027」において、「事業ポートフォリオの最適化」を掲げており、成長分野への経営資源の投入を進めています。2024年8月、今後の成長が見込まれるアジアでの充填事業の戦略的拡大を見据え、マレーシアでホームケア・パーソナルケア製品などのOEM・ODM※を行う大手受託充填メーカー、PREMIER CENTRE GROUP SDN. BHD.(以下「PCG社」)を子会社化しました。PCG社との連携により、容器と内容物の双方を包括的に担うサービス体制を確立し、さらなる価値提供と事業シナジーや新規市場の創出を目指していきます。
※ OEM(Original Equipment Manufacturing):受託者が委託者ブランド製品を製造すること
ODM(Original Design Manufacturing):受託者が委託者ブランド製品を設計し、製造すること
PCG社の取得は、東南アジアという成長市場と、ホームケア・パーソナルケアといった成長領域への本格参入を目的としたものです。中でもマレーシアは、経済成長と人口増加が今後も見込まれるうえ、域内では比較的所得水準も高いことから、今後の市場拡大に大きな期待が寄せられています。PCG社は現地に安定した顧客基盤を有しており、当社グループにとっては収益への貢献のみならず、既存事業との相互補完によるポートフォリオの強化という観点からも、意義のある買収となりました。
当社グループでは、PCG社が拠点を置くマレーシアの隣国タイにおいても、複数のグループ会社が事業を展開しています。ホームケア・パーソナルケアの分野においては、充填事業を行うToyo Filling International Co., Ltd. (以下「TFI社」)および、プラスチック容器の製造販売を行うToyo Seikan(Thailand) Co., Ltd.が進出しており、拠点間での連携によるシナジーの創出が期待されています。特に、TFI社とは同じ充填事業を展開しながらも、ターゲットとする顧客層やロット規模、設備の特性が異なるため、補完関係にあります。このことにより、競合を避けながら、それぞれの強みを活かした幅広い顧客提案が可能になります。さらには、アジア全域における柔軟なサービス提供体制の構築にもつながります。
加えて、PCG社が取得しているマレーシアの厳格なハラール認証は、今後、人口ボーナスが見込まれる東南アジアや中東地域における新たな商機の獲得に向けた布石となります。
PREMIER CENTRE GROUP SDN. BHD.
Director
田沢 俊樹
東南アジア各国での物価上昇により、価格競争は東南アジア全域に拡大・激化しています。そのような中で、PCG社は、マレーシアの人口増加と経済成長の追い風を享受しながら、ホームケア・パーソナルケア委託充填事業で培ってきた品質と対応力をさらに磨き、お客さまの信頼に応えていくことで収益基盤を堅持します。
あわせて、次の成長軸の構築をPCG社の最優先課題と位置づけています。東洋製罐グループの先端技術と広範な顧客ネットワークを、PCG社の製造・開発力と掛け合わせること、隣国タイで充填事業を行うTFI社や包装容器事業を担うグループ各社との連携・協業という2つの軸を通じて、新たな付加価値を創出し、持続的成長と地域社会への貢献を実現していきます。
PREMIER CENTRE GROUP SDN. BHD.
COO & Director
Thanaraj A/L Saravana
PCG社は、2024年より東洋製罐グループの一員となり、新たなスタートを切りました。私たちは、容器製造の祖業を起点に、OEM・ODM分野へと事業を拡大。創業から50年以上にわたり培ってきた経験と実績を礎に、現在ではお客さまの多様なニーズに応える「ワンストップセンター」として進化し続けています。確かな技術力、そして柔軟かつ迅速性のある対応力を備えたチームにより、委託製造の枠を超えた“価値創造パートナー”へ。東洋製罐グループとの協業により、さらなる成長とイノベーションを実現し、変化の激しい市場環境でも、お客さまと共に歩み続けます。私たちは、信頼される革新的なパートナーとして、協働と経験、卓越性を通じて、お客さまのアイデア実現とブランド価値向上をサポートしていきます。