本協定は、自治体と回収業者、素材メーカー、容器メーカー、食品メーカー、小売りがそれぞれの強みをいかした日本初の資源循環を目指す取り組みです。
※超臨界水を用いた廃プラ油化リサイクル由来の樹脂(マスバランス方式)の利用は日本初
プラスチック包装容器のリサイクルは、持続可能な環境づくりのために不可欠な課題です。各自治体やメーカー、小売りはそれぞれ多種多様なリサイクルの取り組みを推進しています。一方で、缶やPETボトル、ガラスびん、段ボールなど、見た目で分別しやすくマテリアルリサイクル※1される容器と異なり、プラスチック容器は見た目が似ていても素材が異なることも多く、素材毎の分別回収とリサイクルは難しい課題です。
そこで、製造・販売・回収・再生・再製品化を行う各プレーヤーが協働し、鹿嶋市でケミカルリサイクル※2を用いたプラスチック容器の循環を目指すことで合意しました。
※1:使用済み容器を洗浄・粉砕した上で、再度同じ性質の原料としてリサイクルする方法
※2:使用済みプラスチックを化学的に分解し、油やガス、モノマーといった化学原料に戻してリサイクルする方法
本取り組みでは2025年夏ごろを目途に、鹿嶋市内で排出された使用済みプラスチックをリファインバースで回収・一次加工し、三菱ケミカルが新設したケミカルリサイクルプラントにて再資源化します。その再生プラスチックを東洋製罐グループにて容器を製造、キユーピーにて製品化、カスミにて販売し、再度回収するという、循環の実証実験を行う予定です※3。
※3:本取り組みはマスバランス方式を採用。マスバランス方式とは、石油由来の原料とケミカルリサイクル原料を混ぜて製品をつくる際に、リサイクル材の投入量に応じて、製品の一部にその性質を割り当てる手法
実証実験の前後の期間では、鹿嶋市内の公立小中学校にて、プラスチック資源の調査学習や各社のプラント見学、リサイクルに関する教育プログラムなどを行います。
また、2026年3月までに実証実験や取り組みで見えた課題点やフィードバックを基に、6者共同で「プラスチック容器の循環に関する検証レポート」を作成・発表する予定です。
本取り組みにおける各社の役割は、以下の通りです。
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企業・団体 | 役割 | 概要 |
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鹿嶋市 | ルールメイキング・啓発活動 | 小学校などへの啓発活動や、各自治体との協議によるルール作り |
リファインバース | 回収・中間処理 | 茨城県内の産廃プラの回収と中間処理(分別・洗浄など) |
三菱ケミカル | 再資源化 | 回収された使用済みプラスチックをケミカルリサイクルで油化し、グループ会社の日本ポリプロ株式会社(以下、「日本ポリプロ」)・日本ポリエチレン株式会社(以下、「日本ポリエチレン」)にて再資源化 |
東洋製罐グループ | 容器製造 | 再資源化された原料を用いてグループ会社のメビウスパッケージング株式会社(以下、「メビウスパッケージング」)にて容器を製造 |
キユーピー | 製品製造 | 対象となるドレッシングの製造 |
カスミ | 商品販売・店頭回収 | 対象商品の販売と、プラスチック資源の店頭回収 |