当社の連結子会社である東罐興業株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:田辺宏信、以下「東罐興業」)は、当社グループが参画する「クリーン・オーシャン・マテリアル・アライアンス」(英文名:Japan Clean Ocean Material Alliance、以下「CLOMA」)※1の活動の一環として、神戸市が運営する資源回収ステーション「エコノバ」※2の2拠点(「ふたば」・「あづま」)にて、一般家庭から排出される紙製食品容器の回収実証実験を、2026年1月6日(火)から開始します。
東罐興業はこれまで、主にイベント会場で排出された紙コップ等の紙製食品容器の回収に取り組んできました。一般家庭から排出される紙製食品容器を対象とした取り組みは、今回が当社グループにおいて初めてとなります。
海洋プラスチックごみ問題を背景に食品容器の紙化が進む一方、多くの紙製食品容器はリサイクルされずに焼却処分されています。この現状を踏まえ、東罐興業は、多くの方が日常的に資源循環に参加できる機会の創出を通じて、分別やリサイクルへの理解を広げ、可燃ごみの削減を目指します。その第一歩として、「エコノバ」に持参された紙製食品容器の洗浄状態を含め、市民のリサイクル行動や回収物の品質・数量などの実態を検証します。本実証実験の結果から、紙製食品容器のリサイクルスキームの社会実装に向けた課題を抽出し、サーキュラーエコノミーの実現に向けた取り組みを推進していきます。
※1海洋プラスチックごみ問題の解決に向けて官民連携で取り組む、業種を越えたプラットフォームであり、紙等への代替素材の開発・普及や資源化の推進にも取り組む。
クリーン・オーシャン・マテリアル・アライアンス公式サイト:https://cloma.net/
※2 神戸市が運営する資源回収ステーションであり、「まわり続けるリサイクル」を実践するとともに、ごみ出しをきっかけに誰もが関わる地域交流を促進するコミュニティ拠点です。2025年12月現在、市内に66拠点を展開しています。
エコノバWebサイト:https://www.city.kobe.lg.jp/a25748/kurashi/recycle/recovery-of-plastic-resources.html
家庭から廃棄されるごみのうち、紙ごみは約3割※3を占めるものの、紙製食品容器は原材料の構成や仕様、食品残渣が混入すると処理が困難になることから、牛乳パックや古紙と比較して、リサイクルの実装が遅れています。
東罐興業が参画するCLOMAのキーアクション実行ワーキンググループ4&5再資源化分科会では、海洋プラスチックごみ削減で食品容器の紙化が進む一方で、紙製食品容器はリサイクルされずに焼却処分されている現状を課題として認識し、回収リサイクル化に取り組んでいます。
こうした認識を踏まえ、東罐興業は紙製食品容器の再資源化に向けた取り組みを推進しており、このたび、資源循環社会の形成に積極的に取り組む神戸市にご賛同いただいたことで、本実証実験の実施が決定しました。
※3 環境省 「日本の廃棄物処理(令和3年度版)」より
https://www.env.go.jp/recycle/waste_tech/ippan/r3/data/disposal.pdf
神戸市が運営する資源回収ステーション「エコノバ」の2拠点(「ふたば」・「あづま」)において、使用済み紙製食品容器の回収を開始します。対象はアイスクリームおよびヨーグルトで使用される紙製食品容器で、中身を空にして、ご家庭で洗浄・乾燥したうえでお持ち込みいただき、専用ボックスで回収します。
・実施期間:2026年1月6日(火)~2026年3月31日(火)
・紙コップ回収場所:
エコノバ ふたば ふたば学舎 (長田区二葉町7丁目1-18)
エコノバ あづま コミスタこうべ(中央区吾妻通4丁目1-6)
・対象:アイスクリームおよびヨーグルトで使用される紙製食品容器 ※樹脂製品は対象外
・検証内容:
①回収物の品質や数量の評価(対象適合率、汚れ・残渣の程度、臭気の有無等)
②効率的な収集頻度と回収・処理に係る費用
③市民への効果的な告知・啓発手法
2025年11月、エコノバのふたば・あづま両拠点で実施した地域イベントにおいて、来場者にヨーグルトを配布しました。あわせて、会場で空容器の洗浄および分別回収を行い、アンケート調査も実施しました。その結果、ふたばにて226件、あづまにて139件の有効回答を得ました。
アンケートでは、「今後、エコノバに紙カップの回収場所が開設された場合にヨーグルトやアイスクリームの紙カップを『洗ってリサイクルに出したい』という気持ちになりましたか?」に対し、98%が肯定的な回答を示しました。また、「このイベントに参加して『家庭で洗ってリサイクルに出そう』という気持ちになりましたか?」には95%の肯定的な回答があり、さらに「エコノバで紙カップを回収できるところを増やしてください」といったご意見も寄せられました。これらの結果から、家庭ごみの回収においては、プラスチック製品だけでなく紙製食品容器の回収に対するニーズも高いことが示され、本実証実験の設計にも反映しています。
東罐興業は、本取り組みを今後の資源循環の仕組みづくりに向けた重要な第一歩と位置付けています。本実証実験で得られた成果・課題を踏まえ、将来的な回収ネットワークの拡大や、地域産業およびブランドオーナーとの連携等の施策を検討し、家庭から排出された紙製食品容器の回収と再製品化を、日常的な資源循環の取り組みとして定着させ、サーキュラーエコノミー実現を目指します。
(関連情報)
「ヨーグルト、アイスクリームの紙容器を回収する実証実験をスタート!」
(神戸市プレスリリース/2025年12月24日)