従業員の尊重:安全衛生活動

東洋製罐グループは、全ての関係者が安全で健康的な環境で働けるよう、積極的に安全衛生活動に取り組んでいます。これには、従業員だけでなく、外部ステークホルダーや協力会社、請負業者も含まれます。
私たちの安全活動は、各社の委員会組織を中心に行われています。これには、職場の安全パトロール、類似災害の再発防止、危険予知活動などが含まれ、全ては活動計画に基づいて継続的に行われています。
衛生活動では、年間活動計画に従って、生活習慣病や職業性疾病の予防、メンタルヘルス対策の推進などに力を入れています。
さらに、協力会社や請負業者と共に、事業場での安全活動や防災行事を実施しています。これらの取り組みを通じて、私たちは全ての人々が安心して働ける職場環境を目指しています。

労働安全衛生の考え方

東洋製罐グループは、「東洋製罐グループ行動規準」において、“働きやすい職場環境”について明示し、すべての人々が安心して働ける職場づくりを目指し、取り組んでいます。
各事業会社では、労働組合と締結した労働協約や就業規則に基づいて、従業員の安全衛生の確保及び改善を図り、安全で快適な職場形成のために必要な措置を講じています。

グループ各社の労働安全衛生体制

東洋製罐グループでは、国内の各事業会社において、社長から任命された中央総括安全衛生責任者(取締役または執行役員)が各拠点の総括安全衛生管理者を任命しています。各拠点の総括安全衛生管理者は安全衛生委員会を設置し、拠点の安全衛生管理体制を構築しています。
各拠点におかれた安全衛生委員会は、安全管理と衛生管理を推進する組織として労使合同で毎月1回安全衛生委員会を開催しています。
同委員会は法令に則って、総括安全衛生管理者、安全管理者、衛生管理者、産業医のほか、会社側と労働組合側それぞれの委員で構成されています。委員の半数は、労働組合の推薦に基づいて指名されています。安全衛生上の大きな問題や懸念事項が判明した場合は、総括安全衛生管理者に速やかに報告され、安全衛生委員会事務局に是正や対策の指示がなされ、該当部署と協力して改善を行い、その内容は他拠点へも水平展開されています。

労働災害の防止に向けて

労働災害の防止に向けて、各社の中央総括安全衛生責任者は各社毎に年間活動計画を策定し、以下の活動を行っています。
安全活動としては、各拠点では「安全衛生委員会」を毎月開催し、事業所の特性に適した方針策定や職場の安全パトロール、類似災害再発防止対応、KY(危険予知)活動など継続的かつ積極的な活動を展開しリスク低減に努めています。また、協力会社とも労働災害事故事例とその対策などの安全に関する情報を共有し、協働で安全活動を推進しています。衛生活動としては、生活習慣病や職業性疾病の予防、メンタルヘルス対策の推進などに取り組んでいます。
また、ヒヤリハット情報・不具合情報や改善提案を、従業員からヒアリングする仕組みも運用しています。

労働災害の発生状況

災害発生件数・負傷者数・死亡者数

項目 2021年度 2022年度 2023年度
労働災害発生件数 78件 69件 46件
労働災害による負傷者数 78人 54人 41人
負傷者数のうち死亡者数 0人 0人 0人
  • 集計範囲:東洋製罐グループホールディングス、東洋製罐、東洋鋼鈑、東罐興業、日本クロージャー、メビウスパッケージング、東洋ガラス、東洋エアゾール工業、TOMATEC

度数率・強度率

  • 表は左右にスクロールできます
項目 対象 2021年度 2022年度 2023年度
度数率※1 東洋製罐グループホールディングスと国内連結子会社 1.29 1.72 1.09
調査産業計※4 2.09 2.06 2.14
製造業※4 1.31 1.25 1.29
強度率※2 東洋製罐グループホールディングスと国内連結子会社 0.03 0.02 0.05
調査産業計※4 0.09 0.09 0.09
製造業※4 0.06 0.08 0.08
集計範囲のグループ全体に占めるカバー率※3 71% 69% 69%
  • 度数率:休業1日以上及び身体の一部又は機能を失う労働災害による死傷者数/延べ実労働時間数×1,000,000
  • 強度率:延べ労働損失日数/延べ実労働時間数×1,000
  • カバー率は各年4月1日の従業員数を用いて計算
  • 出典:厚生労働省労働災害動向調査結果

事業会社の取り組み

2023年度の取り組み

メビウスパッケージング川崎工場 安全衛生の取り組みについて2つの表彰を受賞

メビウスパッケージング川崎工場は、2023年7月7日に行われた「神奈川労働局安全衛生表彰式」において、神奈川労働局長賞を受賞しました。神奈川労働局長賞は、地域内で安全衛生の水準が高く、改善のための取り組みが他の事業場に模範とされる事業所に贈られるものです。
また、2023年11月14日に開催された「第59回川崎市労働災害防止研究集会」において、労働災害防止の功績を称えられ、川崎市長から表彰を受けました。 今回の受賞を励みに、今後も安全衛生意識の普及に努めていきます。

「LaKeel Online Media Service」活用による労働安全衛生教育

メビウスパッケージングでは、2024年4月より全従業員を対象に労働安全衛生の教育ツールとして、株式会社ラキールが提供する「LaKeel Online Media Service」の活用を始めました。eラーニング形式での教育のため、従業員は各々の都合にあわせて効率的に学習できるうえ、アニメーション動画を取り入れることで、より労働災害発生のメカニズムを深く理解することができます。今後も、メビウスパッケージングの労働安全衛生教育の一翼を担う本サービスの活用を通じて、より安全で安心な職場環境を整備し、従業員の知識向上と労働災害の抑制に取り組んでいきます。

安全講習会を実施

東洋ガラス千葉工場では、2023年6月19日に安全衛生講習会を実施しました。講師には株式会社クリエイトの長谷川孝幸先生をお招きし、入社5年以内の若手社員をメインターゲットに『“気づく力”向上研修』と題して講演いただきました。
講義の中では「意識的な危険行為より無意識的におこなう危険行為の方が悪いのはなぜか」「“気づく力”が鈍ってしまうのは、あるべき姿がわかっていない/あいまい/間違っている時にこそ起きやすい」などのテーマを通して、グループディスカッションを交えつつ“気づく力”の重要性と、どのように高めればよいかを講演いただきました。危険に“気づく力”を日々の業務に役立て、安全への意識を高く持ってゼロ災工場を目指します。

化学物質に関する勉強会を実施

TOMATECでは、2023年6月29日に「TOMATECで取り扱われる毒劇物・危険物について」というテーマで、化学物質の管理と法規制に関する勉強会を開催しました。各事業所の従業員をオンラインでつなぎ、80名以上が受講しました。TOMATECで取り扱う化学物質は多岐にわたり、それぞれが異なる危険有害性や法令に対応する必要があるため、この勉強会は、広く理解を深めるための貴重な機会となりました。さらに、2023年6月の「危険物安全週間」には、危険物と毒劇物に関する管理状況の確認に重点を置いた安全パトロールも実施しました。

電気保安教育を実施

TOMATECでは、2023年8月の電気使用安全月間にあわせて外部講師を招き、電気保安教育を実施しました。本社、大阪工場および他の事業所をあわせて40名以上が受講しました。講師からは、身近な事例としてトラッキング火災や床面への転がし配線の危険性などについてお話いただき、これらの内容を安全パトロールにも生かし、意識向上に努めました。

VRを使用した安全体感教育を実施

TOMATEC小牧工場では、2023年11月にVRを活用した安全体感教育を実施しました。この教育では、労働災害をVRで疑似体験することができ、危険に対する感受性を高めることができます。よりリアルな事故や災害を体感し、振り返り学習にもなりました。この教育は製造担当者だけでなく、多くの従業員に体験してもらい、活発な安全衛生活動につながる新しい試みとなりました。当日は大阪と九州の各事業所の代表者も参加し、あわせて相互パトロールも実施しました。参加者同士で意見交換を行い、安全意識の向上につながりました。

作業前の安全対策活動の実施

ブラジルのStolle Machinery do Brasil Industria e Comercio Equipamentos Ltda.では、毎日の作業開始前に、安全対策についての情報共有を行うDDS(デイリーセキュリティダイアログ)活動を実施しています。保護具の正しい使用方法、荷物の適切な持ち上げ方、病気の予防などについてのレクチャーを行うことで、安全意識を高めるよう努めています。